症状・治療について「心のやまい」が、身体や行動に与える例を掲載しました。

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様々な睡眠覚醒障害群

不眠症(原発性不眠症)は、睡眠障害の代表といえる症状で、充分に眠る時間が確保できていても眠れない状態で、充分に眠る時間が取れない睡眠不足とは区別されます。夜の寝つきが悪く、眠ろうとするとかえって目が冴えたり、途中で目がさめてしまう、普段より朝早く目が覚めるなどの症状が続くものです。睡眠導入剤などでの治療も行いますが、生活の改善や睡眠へのこだわりをとる認知行動療法なども有効です。

過眠症(ナルコレプシーなど)

夜間に充分な睡眠をとっていても日中の眠気が強く、しばしば居眠りするもの。
この代表的な疾患であるナルコレプシーでは、眠気だけでなく情動脱力発作 (笑ったり、怒ったり、びっくりしたときに体の力が抜ける)や入眠時の幻覚がみられる場合があります。

過眠症には他にも様々なものがありますが、専門医による診断によって適切な治療を受けることをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群 SAS

睡眠中いびきが続き、繰り返し呼吸が止まり、激しい呼吸で回復する病気。深く眠ると気道が塞がって呼吸ができず、 眠りが浅くなります。しかし、本人は夜中に息が苦しいという実感はなく、主な訴えは日中の眠気になります。この病気のために高血圧が悪化したり、日中の強い眠気で集中力の低下が起こります。 肥満、副鼻腔炎、下顎の小さな人がなりやすいようです。

時には、うつ状態や、眠っても疲れが取れないということで、睡眠薬を投与されてから来院される方も居ます。睡眠薬は、無呼吸を悪化させる場合もあり、専門医による正確な診断が大切な疾患です。

治療は、軽症であれば食事療法・運動療法で体脂肪率を減らす。咽頭の炎症を防ぐためタバコをやめる。アルコールをやめる。また、横向き寝やマウスピースによって気道が閉塞するのを防ぐなどの方法があります。中等症以上になれば、CPAP(シーパップ)療法と言って睡眠中に呼吸器をつけて気道が閉塞しないようにする方法をとります。重症の場合、CPAPは医療保険を適用することが出来ます。 治療によって、日中の気分が改善して集中力が増すケースが多いため、専門的な診断治療をお勧めします。当院では簡易的な睡眠検査機器を貸し出しています。

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群RLS)

夜ベッドの中で、足を中心にムズムズするような不快感が生じ、じっとしていられなくなるもので、不眠の主な原因になります。寝つきが悪くなったり、睡眠中に覚醒することがあります。

むずむず脚症候群は薬物治療で症状が改善されることがわかっており、すでにその治療手順が確立しています。

周期性四肢運動障害 PLMD

睡眠中に四肢(足を中心とした)に周期的な筋肉の痙攣が生じるため、 頻回な覚醒反応がみられ、昼間眠くなったり、夜間の眠りが浅くなったりします。このような症状には薬物治療がきわめて効果的であることが分かっています。

睡眠時異常行動およびレム睡眠行動異常症RBD

寝ぼけや寝言、繰り返し起こる夜驚や夢の中での異常行動などがあります。小児におこる夜驚症などは、ご両親もびっくりされるでしょうが、多くの場合は自然になくなります。時に、日中のストレスが原因のこともあるので、気がつく原因があれば解決すると消退するかもしれません。

寝言などは、ひどくなければそのまま様子を見ても良いかもしれませんが、ものすごい大声で怒鳴る、手足を振り回すようになると、家族も驚いてしまいます。これは、夢を見ているレム睡眠期と関連した疾患であり、レム睡眠行動障害と言います。

一般的に、レム睡眠時には筋肉が弛緩して体が動かなくなるのが特徴的です。ところが、レム睡眠行動障害では、体の動きを止めるメカニズムがうまく働かず体が動いてしまいます。 このため、悪夢の中で大声をあげ、起き上がったり、 手足を激しく動かしたりすることがあります。

体を揺すったり、大声で呼びかけると目が覚め、 本人も夢をみていたことに気付きます。 レム睡眠行動障害は、ほとんどの方が薬物治療で症状が改善することがわかっていますので、是非当院にご相談ください。

睡眠相後退症候群(概日リズム睡眠障害)

睡眠-覚醒の時間帯が、望ましい時間帯からずれてしまうもの。極端に夜寝る時間が遅く、 朝起きようと思っても起きることができない睡眠相後退症候群が代表的です。睡眠相後退症候群は、高校生くらいから始まるケースが多くあります。特に学校での問題がないのに、朝起きられない。昼過ぎから学校にいくケース。仕事に対して意欲的なのに、どうしても朝起きられないなどの悩みがある時には、当院にご相談下さい。睡眠覚醒リズムを調整するメラトニンという脳内物質に関連した薬物療法や、高照度光療法などを含めて治療の相談に乗っています。

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