痩せて理想の体型を手に入れることは、現代女性の普遍的な欲求ですが、時に病的なものに発展します。思春期やせ症(Anorexia Nervosa)が典型的ですが、最近では過食症(bulimic type)が増加する傾向にあります。
(1)ダイエットでひどく痩せても満足できず、人から痩せ過ぎだと言われても、さらなるダイエット(極度のカロリー制限と運動による消費)に励む。
(2)極端なダイエットと、反動による体重増加を繰り返す。
(3)体重増加を避けるために過食嘔吐を繰り返し、自己嫌悪、憂うつ感が強まる。
(4)憂うつ感や不安を解消するために過食に走ってしまう。
このような食行動異常は飲酒と同様に習慣となりやすいため、今までは依存症としてとらえられてきました。しかし、月経前緊張症候群に伴う過食のように、食行動は気分の影響を受けることが多いのも事実です。過食に対する気分障害≪うつ病ページ参照≫の治療は有用なことが多く、単純に食欲を抑制するだけの対症療法は、この病気の本質からかけ離れたものだと言えます。また、摂食障害の慢性的な抑うつ、心理的葛藤に対しては、心理療法も極めて有用であり、当クリニックでも治療実績を積み重ねています。